
今現在の苦悩は・・・・プライシングです。
金価格だけでなく、金属の価格全般で上がっており
ここ数年は、上がり続けるだろうと予測しています。
下手すると、危ないかも。
みな、金を使って新しいものを作るよりも
在庫を売りつないで生き延びようとしている気配・・・・・
それでは、日本の宝飾の職人が死に絶えてしまう。
そんなことを考えて悶々と暮らすなか、
素敵なお誘いをいただいて至福の時を過ごしました。
誘っていただいたのは、人生の先達2人と
数日前に仲良くなった女3人で(女3人という人数が楽しい♪)
ワイワイとにぎやかに喜多方まで美味しいものを食べに行きました。
ひとしきり・・・てんでに・・・違うものを食べ
笑わない亭主が、ニヤリとした・・と言っては笑い・・・・。
たっぷりとおしゃべりした後、・・・おもむろに親父殿が切り出します。
「calicoさん、その首から下げているそれ・・・いいね」


そうそれは・・・・私の今の課題の新作。
ナンバー0番の他に、1から5番までできたのはできたのですが
問題は価格で。
そういう話をしたときに、親父殿は、
「俺たちはいつも価値について、こうやっていろいろ話すのよ・・・」
とおっしゃる。
価値とは・・・・
その価格に見合うサービスって、一体なんなんだろう?
料亭やホテルの価値・・・よりも
更に、私が作っているものの価値は命から遠い。
生きていくうえで、
食べること、住むこと、着ることは欠かせないものです。
高級料亭も一流ホテルも、非日常、あるいは、最高のホスピタリティを価値としているのだけども
その上で、衣食住といった人間が生きていく上で最低限必要なものから地続きな位置にあるような気がします。
しかし、私の作っているものは
生きていく上で必要のないものであると言うことです。
逆にいえば、人の、どうにもこうにも譲れないこだわりや、生き方にリンクするもの
である必要があるわけです。
人類全体の価値ではなく
その個人の心の中にあるごくごくパーソナルな価値観。
その人が
「これが私だ」
と思わせるもの
そう言い換えてもいいです。
至福の時間は、とても重い課題を私の中に残しました。